戦場には昼も夜も無いと言えどやはり平常と同じく時間の経過はあるものだ。
夜明け前特有の空気の揺らぎを頬に感じる。

しかし

たかが夜明けの到来で何が変わるものか
目の前に広がる惨状は西軍に勝ち目など無いことを厭と言う程見せ付けてくれる。


十文字槍を握る手に力を篭めて、血溜まりを踏みしめ走り出した。


途中襲い来る敵の軍勢に槍を振るう。
十文字の刃先から柄、そして手へと伝わる独特の感触。
耳障りな裂音と断末魔が響く。
あがる血飛沫を頬に受ける。

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